デザイン・美術の用語集

職業

アート・ディレクター:Art director
広告会社、広告制作会社(プロダクション)、企業の宣伝部門などに所属し、広告の視覚的表現全体に責任を有する者。広告制作に必要な各要素を有機的に結合し、美的に整えて、訴求効果のある広告づくりを監督する。
フォトグラファー(写真家):Photographer
フォトグラファー(写真家)とは、芸術的な写真を撮ることで生計を立てており、一定の社会的評価も得ている人のこと。 新聞などの報道写真を撮影する人、風景を専門に撮っている人、人物だけを専門に撮っている人、商品撮影(ブツ撮り)専門の人など、さまざまである。
カラーコーディネーター:Color coordinator
色の視覚効果を有効に使いこなすことのできる、色彩のスペシャリスト。個人に関わる仕事と、企業に関わる仕事の大きく2つに分類される。 個人を対象にする場合、その人の肌や髪の色などを診断し、最も似合う色を提案する。似合う色を応用した、メイクやファッションのアドバイスも行う。
アートナビゲーター:Art navigator
絵画、彫刻、映像など、多様化した美術を楽しく鑑賞できるようサポートする「美術の案内人」。美術館およびアートイベントのギャラリーガイドやサポーターとして働く。 関連する資格に2003年より実施された「アートナビゲーター検定(現:美術検定)」があり、一般的にアートナビゲーターとは、美術検定1級合格者を指す場合が多い。

美術史・美術様式

ビザンチン:Byzantine
5~15世紀頃まで東ローマ帝国で展開した中世美術様式。ギリシア・ローマ美術の伝統を受け継ぐとともに、東方(オリエント)の影響を受けて独自の発展を遂げ、優れたモザイク画が数多く描かれた。 最大の特徴は独自の美意識にあり、「美とは、西欧的な調和や比例といった表面的な形象にあるのではない。真の美とは、内面的・形而上的・精神的価値にある」とされていた。華麗な色彩が好まれ、二次元の世界に極彩色を使って描かれた聖画に、よく現れている。
ロマネスク:Romanesque
中世、11?12世紀中頃に南フランスをはじめ西ヨーロッパ諸国に広まった素朴な信仰心に満ちた美術様式で、当時の絵画には文字の読めない人々にキリスト教を教える役割があった。 ゴシック様式に先行して教会建築が中心で、教会堂や修道院聖堂の内部空間が、「神の象徴」として表現されている。そのため、彫刻や壁画は建物の一部を構成するのみにとどまり、独立した美術作品として存在するものは少ないが、写本装飾に優れたものが見られる。
ゴシック:Gothic
ロマネスクに次ぐ西ヨーロッパ中世の美術様式。12世紀後半より北フランスで盛んになり、16世紀初頭までに各国(イギリス・ドイツなど)に伝わった。本質的には北欧の様式である。 当時、文化の中心であったキリスト教と密接に結びつき、写実的な細部描写や優雅で装飾的な表現、世俗的主題への関心を表象し、「国際ゴシック様式」として発展した。 ゴシックという言葉は、建築に多用された言葉であるため、絵画より建築や彫刻にその特性がよく表れている。
ルネサンス:Renaissance
13~15世紀末頃にかけてイタリアのフィレンツェを中心に興り、絵画、建築、彫刻などあらゆる芸術に影響を与えた歴史上、最も重要な革新運動。 現世の肯定、個性の重視、感性の開放を要点とし、“神中心の中世文化”を“人間中心の近代文化”へと転換するきっかけとなった。 遠近法、明暗法、解剖学などの諸学問を通じて、人類の理想型を追求し、ローマ、ヴェネツィアなど各都市で独自の特徴的な画派が成立、その後、国際的な様式にまで発展した。
バロック:Baroque
17~18世紀中頃まで、全ヨーロッパに支持された芸術(建築・彫刻・音楽など)および文学上の様式。 調和と均衡が保たれたルネサンス絵画に対して、バロック絵画には躍動感があふれている。極端な明暗の対比(コントラスト)や劇的な感情描写といった特徴があり、意図的にバランスを崩した動的かつダイナミックな表現が好まれた。この時代、ローマ・カトリックの国々では法悦、殉教、奇跡の出現といった画題が多く扱われ、強い精神性について描かれた。
ロココ:Rococo
18世紀(1723?60年頃)、ルイ15世時代のフランスを中心に、欧州各地を席巻した優美な装飾スタイル。曲線過多の濃厚で複雑な形体、明瞭かつ軽快な色彩、優雅でありながら甘美性も持ち合わせた表現、雅宴画(フェート・ギャラント)と呼ばれる独自の絵画様式などが特徴である。 神話的な主題や統治者の栄光を称賛する作品が典型例であるが、肖像画、風俗画、静物画などでも、淡色と金色を併用するロココ特有の様式美が表現された。
印象派:Impressionnistes
1860年代のフランスで興った、絵画を中心とした芸術運動。自然の変化を正確に表現するため、光の動きや変化の質感を、いかに描くかが追求された。 瞬間の変化を強調して表すなど、それまでの絵画と比べて明るく色彩に富んでいるが、細部へのこだわりよりも全体から受ける印象を重視している。 陽光の輝く戸外での制作が活発になったため、余暇を過ごす人々の姿や、ガス灯の光に浮かぶ夜の情景など、当時の心象がそのまま表現された作品が多く見られる。
アール・ヌーヴォー:Art nouveau
19世紀末の20年間と20世紀初めの10年間に、ヨーロッパやアメリカに興った革新的な芸術運動。建築、インテリア・デザイン、絵画、ポスター、ガラス工芸、織物など幅広い表現領域に影響を及ぼした。 アール・ヌーヴォーの特徴は、植物の枝や蔓(つる)のような、有機的な自由曲線の組み合わせを多用した点にある。また、当時流行していたジャポニスム(日本美術)の影響を強く受け、浮世絵に見られるような平面的かつ装飾的な空間構成も好まれた。
キュビスム:Cubisme
20世紀初めのフランスで興った美術運動およびその手法。一つの焦点に縛られたルネサンス以来の一点透視法ではなく、複数の視点から注視した像を平面上で合成することで、現実を再現しようと試みられた。 キュビスムにおいて主題は極端に解体され抽象的、分析的に処理される。芸術家は主題を構成している幾何学的形態、とくに立方体、球体、円すい形、円筒形あるいは強調したい形態などを明らかにし、基本平面を決めたうえで作品を描いた。
ダダイスム:Dadaisme
第一次世界大戦中から戦後にかけ、チューリヒからベルリン、ケルン、パリへと広がった芸術運動。 戦争の愚かさ、むなしさから生まれた既成概念を否定するため、攻撃や破壊といった負の思想をもつことが、大きな特徴として挙げられる。ダダイスムに属した芸術家たちは、ダダイストと呼ばれ、芸術を特別なものとして扱う価値観を壊そうと活動した。 反美学的、反道徳的な態度も特色であるが、運動が行われた時と場所に応じて、その性格にはばらつきが見られる。
シュルレアリスム:Surrealism
1920年代、ダダイスムに続いてフランスに興った芸術運動。 “夢の重視”を基礎とし、現実の合理性だけでは説明できないことの価値を明らかにしようと試みられた。現実を再編し、人間の解放を目指すシュルレアリスムの精神は、現実を拒否し、物質主義や合理主義を打ち壊すというダダの精神を受け継いでいる。 この時代にコラージュ(貼り付け)やフロッタージュ(こすり出し)など、さまざまな技法が誕生し、独特の不安なイメージが描かれた。
ポップ・アート:Pop art
1960年代アメリカを中心に広まった前衛芸術。メディアを含む大衆文化を主題とし、消費文化や欲の象徴となる商品、広告、マンガなどのシンボルを、そのまま素材として扱う。それまで高級な文化とされた「芸術」に、大衆性を加えることで芸術と文化の境界を取り払い、均一化させるという結果をもたらした。 ポップ・アートは大衆消費社会を称賛すると同時に、当時アメリカの主流であった崇高性に満ちた抽象表現主義に対する皮肉でもあった。
油彩:Oil painting
油絵の材料、技法は、時代や地域および流派によって実に多様に変化している。乾性油を主体としたメディウムを用いて粉末顔料を練り合わせた絵の具を油絵の具と言い、この油絵具を使用して描く絵画技法あるいは絵画作品を油絵(油彩画)と呼ぶ。 油絵具は高い透明性を示し、固着材を多くしても問題が起き難いので透明な塗膜を作ることが可能である。透明感と光沢のある画面が本来の特徴であり、油絵具が遅乾性であることから良く探究された精緻な階調の絵画も多い。
水彩:Watercolor
水彩用の絵具は、大きく透明水彩と不透明水彩とに分類される。さらに、それぞれ固形とチューブ入りとがある。 美術作品において水彩画は、透明水彩の絵具で描かれたもののみを指す場合が多い。不透明水彩は本来ガッシュと呼ばれる絵具を指すが、不透明水彩は小学校などで使われる学童用の水彩絵具も含められることがほとんどである。学童用の水彩絵具はマット水彩とも呼ばれ、透明水彩と不透明水彩の中間的な性能を持ち、どちらの用法にも対応できるよう工夫されている。
モザイク:Mosaic
様々な形の小片を寄せ合わせて埋め込み、図案や絵画、模様などを表現する装飾美術の手法。有色無色のガラス、貝殻、木、エナメル、石、陶磁器 (タイル)などを使い、建築物の床や壁面、または工芸品の装飾のために施される。 古い時代から世界的に用いられた手法で、宗教画や幾何学模様などをモチーフとすることが多い。歴史上、カテドラル(キリスト教の聖堂)の内部や、モスク(イスラム教の礼拝堂)の外壁などを彩る装飾手法として特に有名である。
フレスコ:Fresco
壁画製作技法のひとつ。現在では、漆喰壁に描かれた壁画の総称として用いられることも多いが、本来はそのうちで、下地となる漆喰壁がまだ乾かないうち(すなわち湿っていて新鮮なうち)に水で溶いた顔料で描いていく方法をいう。 この方法では、絵具が漆喰の表層に浸透し、乾燥するにつれて固着し、壁と一体となってしまうので、壁自体が破壊されない限り存続することとなる。剥落の心配もないのでモニュメンタルな壁画を描くための最良の方法といえる。
テンペラ:Tempera
油と膠質が混じり合った乳剤で顔料を練り合わせた絵具。乳剤には、卵や無花果の乳液を使った天然のものと、カゼインと膠の混合溶液のような人工のものがある。 テンペラは乾きが早く、丈夫で耐久性に富む絵具層をつくり、色調は油彩画よりも明るく鮮明である。しかし、色面の平塗やぼかしの技法には不向きで、線描的な性格を持っている。 油彩画のような黄変を起こし難いため、卵テンペラで描かれた絵画は時代が経過しても絵の具の発色のいい状態が多い。
パステル:Pastel
乾燥した顔料を粉末状にし粘着剤で固めた画材。カッターナイフ等で削って再び粉末状にしスポンジ等で塗ったり、直接手で持って塗ったりできる。絵画のほかデザイン、デッサン等に用いられることが多い画材である。 粉末性質であるパステルは固着力が弱いため、作品完成後はフィキサチーフなどで粉を定着させる必要がある。パステルを使用した絵画のことをパステル画と呼ぶ。
アクリル絵の具:Acrylics
アクリル樹脂を使った絵の具。アクリル樹脂は透明で強度が強いため、戦後のアメリカで大量生産され、例えば航空機に風を防ぐために塗装されるなど、さまざまな使い方がされた。 アクリル絵の具は、水性だが乾燥すると耐水性に優れているため、塗り重ねが可能である。アクリルガッシュは不透明な水彩のアクリル絵の具のことで、下層の絵の具を上層の絵の具が塗りつぶす力が強い。
ジェッソ:Gesso
水溶性の白亜下地の材料のこと。アクリル絵の具の下地材として使われ、絵の具の発色と定着を助け、作品の仕上がりを引き立てる。他に描画材として使われることもある。
顔料:Pigment
一定の色に着色する物質。水、アルコールに溶けない、所定の色をもつ不透明物質で、染料に比べるとひとつひとつの粒子が大きい。 成分によって、無機顔料と有機顔料の2種類に分類できる。
透明水彩
顔料とアラビアゴムと、少量の砂糖が練られてできている絵の具のこと。色の透明性が高いため、紙の白さを生かした明るい発色で描くことができる。少量の絵の具でも発色が良い。絵の具が乾いた後でも、水をつければ溶けるので、その性質を利用して描画することもできる。
不透明水彩
アラビアゴムを溶剤として不透明な顔料を混合した絵の具のこと。透明水彩では、紙の白さを利用して明度を高くするのに対して、不透明水彩では絵の具の白を混ぜて明度を上げる。ポスターカラーとは不透明水彩の一種で、アラビアゴムの代わりにアクリルを混ぜ込んだアクリルグァッシュという絵の具が多く使われている。
染料:Dye
繊維や皮革・紙などを染める有色物質で、絵の具の発色剤として、顔料と同じように使われている。有機物から抽出した天然染料と、科学的に合成して作った合成染料とがあり、いずれにしても顔料に比べると粒子が非常に細かいため素材に深く染み込む性質がある。
チャコール・ペンシル:Charcoal pencil
木炭粉と粘土が練られたものが芯となった鉛筆状の描画材料のこと。水溶性のものもあるが通常の消し具で容易に消すことが難しく、絵の具に近い発色のため、使用するときには慎重さが必要となる。

デザイン技法

タイポグラフィ:Typography
印刷物の体裁に影響を及ぼす、文字の書体、大きさ、配列のしかたなど、視覚効果の総称。文字を生かした「レイアウト」や「グラフィック・デザイン」と同義語として考えられるようになっている。 ビラ、ポスター、ラベル、各種カード、案内状、レターヘッドなど、時代とともに、目的に応じて、活字の書体・大きさの選択、レイアウトの決定など視覚的表現として発達したが、それらは主として印刷技術者によって行われてきた。

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